モトネタログ

日本語ラップのサンプリングネタを探し続けるブログ。

日本語ラップのサンプリングネタについて詳しく考察していくブログです。



大神 / 大怪我 サンプリング 元ネタ

大神 / 大怪我 (1996) (大怪我3000)


サンプルされた曲: Nice And Nasty 3 / The Ultimate Rap (1980) (サンプル箇所は動画の0:06,1:15,1:33, 2:53, 4:54)

 

The Ultimate Rapの元ネタ(サンプル箇所は0:21秒から)

 

最近ブッダ・ブランドばっかり聴いてるのでまたデブラージ氏の作品のサンプリングについて書きたいと思います。

1980年のアメリカでA Taste of HoneyのRescue Me(1980)が流行ったようで。それでこの曲のリフ部分を使ったラップソングが同じ年に少なくても2つ発表されました。

一つはFunky Four Plus OneのThat's The Joint、もう一つは大怪我の元ネタのNice and Nasty3のThe Ultimate Rap。

Rescue meをサンプルしてる曲の大半がホーン部分も入れているけど、The Ultimate RapはRescue meのリフのみをサンプリングしているのが特徴的。サンプリングというか、たぶん引き直してるんだと思うんだけど。

 

大怪我はデブラージA.K.A. DLプロデュース。人間発電所とはうってかわって使用してるサンプルはThe Ultimate Rapのみ。この9分以上のThe Ultimate Rapを徹底的に解体して大怪我のトラックとして再構成。

一つの曲から違う曲(さらにいい曲)を作り出すこのトラックメイキングスキルはまるで錬金術。

まず大怪我のイントロをThe Ultimate Rapの動画の4:54秒からサンプル。メインループはThe Ultimate Rapの前半部分のメインループを使用(後半はピッチがちょっとあがる)。

The Ultimate Rapのもう一つの特徴はさっきも書いたとおりサンプルではなくて引き直しで今のトラックメイクの方法とは違ってバンドがオケを演奏しているところにラップを乗せてると思うんですよね。だからよく演奏を聞くとまったく同じ演奏がリピートされてるところはむしろ少なくて、ループごとにどこかしら演奏が違ったりするんです。

DL氏はたぶんそこに目をつけて、印象的な演奏部分をカットしヴァースパートのトラックにいれています。例えば元ネタ動画の1:33や2:53。ベースやギターのこういう演奏をトラックに埋めつけてアクセントをつけてます。もっと言えば大怪我のメインループもひとつひとつのループをちゃんと聴いて選別していたかもしれません。ヴァースの終わりの大怪我!コール前の部分は元ネタの動画の1:15.

大怪我のビーツは元ネタとは違うので自作…もしかしたらこれもどこからかサンプルしてるのかもしれません。そこについては残念ながら情報を見つけられませんでした。

 

デブラージ氏のネタ使いは本当にステキ。ただ単にレアな音源ではなくて、レアな上に音楽として素晴らしいものばかりを引っ張り出してくる。今回のThe Ultimate rapはアメリカアマゾンでアナログ盤が売られてますが、日本では売り切れ状態。MP3のものは発見できませんでした。残念…。

 

(注:アメリカアマゾン)